ここ数年はデータベースの暗号化に関する話題が(少しだけ)盛り上がりを見せているようです。某HSM屋さんの話によると、近年はDB暗号化の割合は着実に増えて来ているそうです。数年前と比べると、セキュリティに対する意識は変わってきたのでしょうね。
さて、11/1にデータベース・セキュリティ・コンソーシアム(DBSC)から「データベース暗号化ガイドライン 第1.0版」(PDFです)が公開されていました。35ページほどの文書ですが、データベース暗号化を行う際に考慮すべき事項がよく纏められています。暗号関連のお仕事をしている人は、ざっと目を通しておくとよいと思います。
読んでみた感想ですが、対象は何にせよ暗号を行う際に一番の問題となるのが、やっぱり暗号鍵の運用だなと思いました。暗号に詳しくない人は、一度データを暗号化すれば情報漏洩を防げると考えてしまいがちですが、実際は暗号鍵の危殆化や暗号アルゴリズムの脆弱性に対応しなければなりません。
それ以外にも、暗号鍵の安全な保管や、可監査性の担保と定期的な監査の実施などの暗号システムに特有なオペレーションが多く、意外と運用面での負担が大きかったりします。また、こういった暗号システム特有の運用に関する観点は、暗号分野が専門性の高い分野であることもあり、エンドユーザさんも正確に理解できていないことが多いと思います。
最近はPKI絡みのインシデントも多いですし、今後は暗号に対する基本知識が、構築側/運用側を問わずに必須になってくるのかもしれませんね。
0 件のコメント:
コメントを投稿